改善したいことは特にない。でも、今月の提出はまだだから、何か一件出してほしいと言われる。
それで机の周りを見回す。書類の置き方か。道具の並べ方か。もう誰かが出した案かもしれない。提案するほどのことでもない気がして、また白紙へ戻る。
改善提案がうざいのは、困りごとを減らす前に、提出件数を埋める困りごとが増えているからです。会社を良くするためという看板で、今日も会社の宿題が一つ配られる。
私は、仕事を終えて帰りたいのであって、会社を良くしたがっている自分まで毎月提出したいわけではありません。ここでは、定期的に改善案を出すよう求められ、案探しと提出に追われる場面を扱います。
「小さなことでいい」なら、ない月があってもいいはずです
「大げさに考えなくていい」「何でもいいから出して」。その説明で楽になれたら、とっくに出しています。
何でもいいと言いながら、出せば「効果が弱い」「それは改善ではない」と戻される。案がないと言えば、今度は普段から考えていないと責められる。提出させたいのか、良い案が欲しいのか。会社の側でも決まっていない要求を、こちらの発想力で埋めろと言うのが腹立たしいです。
件数の欄が埋まらないことと、今月の自分に価値がないことは別です。毎月都合よく、本人が直したい問題と実行できる案が一組ずつ生まれるわけではありません。
提案の有無を書く欄なら、「現時点で提案できる案はありません」と、今の状態を書くことはできます。やってもいない改善や、測っていない効果まで作る必要はありません。
その記載で必ず受け付けてもらえるとは限りません。提出の扱いや上司の反応は職場によって違います。ただ、欄を埋めるために架空の問題を発見したことにし、後からその帳尻まで合わせる方へ進みたくないです。
今期の個人目標そのものが書けないなら、会社の目標設定がめんどくさいときの話に近いです。改善提案は、将来自分がどう働くかではなく、今ある作業や仕組みをどう変えるかという別の提出物です。
一枚出すために、その後の担当まで買いたくない
思いついたことを書いたら、「では、あなたが進めて」と返ってくる。資料を作り、周りへ説明し、実施した後の数字までまとめる。提出期限を越えたくなくて一枚書いたのに、その先に別の仕事の列ができる。
そんな使われ方を見たら、案を出す気がなくなるのは当然です。「良いことを思いついた人へのご褒美」が追加業務なら、喜んで応募する理由がありません。
特に、書式へ「実施担当」「実施予定」「効果見込み」と並んでいると、提案を書くだけのつもりが、自分の作業予定まで埋めたくなります。でも、自分に決まっていない担当や日付を、空いているからという理由で引き取らなくていいです。
仮の案を一つ考えたことと、実施を全部請け負いたいことは同じではありません。提案を出した後も、頼まれていない調整や説明まで自分から始める必要はないです。
会社の売上や利益そのものまで自分の責任のように言われているなら、会社の利益を背負いたくない話もあります。今回は、その大きな精神論が、毎月の提出用紙と次の作業へ変わる場面です。
帰宅してまで、会社の欠点を探す趣味はありません
提出日が近づくと、家へ帰ってからも案を探してしまう。風呂の中で職場の棚を思い出す。休みの日まで、仕事に使えそうな事例を検索する。
会社を良くする前に、会社が頭から出ていかない一日が完成します。これのどこが改善なのでしょうか。少なくとも、こちらの生活は悪くなっています。
帰宅後まで案を探すことや、他部署へ聞き回ることを、自分の標準のやり方にしなくていいです。「常に問題意識を持とう」と言われても、休んでいるときまで職場の欠点を発見し続ける人になりたいとは思いません。
終わった仕事を自己評価へ書く場面は、自己評価に書くことがないときの話で扱っています。過去の実績を振り返ることと、まだない改善案を会社のために生み出すことは別です。
会社が嫌だからこそ、自分で直して働きやすくしよう。そう勧められることもあるでしょう。けれど、嫌な会社の立て直しまで担当すれば、会社と関わる時間は増えます。私は、その関わりを増やしたくないのです。
毎月の提出件数が足りない。だから、帰った後も何か考えろ。そうやって一枚の紙を口実に、本人が休める時間まで吸い上げる。その仕組みを、主体性を育てる活動などと呼ばれると反吐が出ます。
今月、会社の新しい改善点を思いつかなかった。それで私の休日まで会社の宿題にしないでほしいです。
『モンスター社員の教科書』には、会社に適応しないモンスター社員の実例と、少しラクになる考え方をまとめています。会社を良くしたい気持ちまで求められ、自分だけ冷めているのかと苦しくなる人へ。会社の課題を、自分の人生の課題にしたくない日に読んでみてください。



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