評価シートを開いたまま、何も書けない。今期の成果と言われても、昇進したわけでも、大きな仕事を成功させたわけでもない。
かといって、「積極性が足りませんでした」「もっと努力すべきでした」と、自分を悪く書く文章ならすぐ思いつく。それも嫌です。仕事をしている時間だけで十分しんどいのに、最後は自分で自分を叩く原稿まで提出させられる。
自己評価に書くことがないときは、特別な成果を捏造するのでも、自分への悪口で埋めるのでもなく、その期間に実際に担当した仕事から短く書く方法があります。会社への熱意まで作文する必要はありません。
「成果なし」から「自分には価値がない」まで飛ばなくていい
評価欄に書くような華々しい成果がないことと、その期間に何もしていないことは違います。
いつもの入力、定型の処理、引き継がれた作業。目新しくなくても、その期間に担当していたなら、書ける事実です。「改善」「貢献」「主体性」といった見栄えのいい言葉を添えないと、存在しなかった仕事になるわけではありません。
自由記述なら、たとえば「担当しているAの入力作業を行いました」。進捗を書く欄なら「Bは○月末時点で対応中です」。実際の担当や状況に合わせて書けばよく、やっていない仕事や架空の実績を足す話ではありません。
うまくいかなかった項目を書く必要がある場合も、「Cは期限までに完了していません」で、仕事の状況は書けます。「私は何をやってもダメです」まで付け足しても、何が起きたのかは詳しくなりません。
会社に提出するのは、その期間の仕事についての記載です。自分という人間を嫌いになるための感想文ではありません。
低い点をつけて、説教を先払いしたくない
文章の欄だけでなく、五段階などの自己採点で止まることもあります。高くつければ「自分を分かっていない」と言われそうで、低くつければ「やる気がない」と言われそうになる。
どちらでも殴れるようにしておいて、「自分で評価してみて」はずるいです。上司の正解を当てるゲームに、自己理解なんて立派な名前をつけないでほしい。
シートに各点数の説明が載っているなら、その説明と実際の仕事の状況をもとに選べます。低く書いておけば謙虚に見える、叱られる前に自分から下げておこう、という理由で最低点にする必要はありません。
逆に、理由なく最高点にすれば評価が上がるという話でもありません。自己採点は最終的な会社の評価と同じではなく、ここでの書き方だけで上司の反応を制御することもできないです。
だからこそ、会社の反応が怖いという気持ちを、そのまま「私の仕事は全部ゼロでした」という申告へ変えなくていい。自分から説教の材料を山盛りにして差し出すのは、もう十分です。
振り返りの空欄から、来期の仕事まで増やしたくない
書く量が足りない気がして、「来期は自主的に勉強します」「周囲の仕事も積極的に引き受けます」と付け足す。過ぎた期間の話を書いていたはずが、いつの間にかこれからの追加労働を約束している。
空欄が埋まった代わりに、次の自分の首が締まる。そんな取引で提出しやすくなっても、こちらは損です。
振り返りを求められている欄なら、まずはその期間の話だけで書けます。来期の目標そのものを要求されていて止まっている場合は、会社の目標設定がめんどくさいときの話へ。過去の仕事を書くことと、将来の努力を約束することは別です。
短く書いたものが、必ずそのまま通るとは限りません。会社が欲しがっているのが事実ではなく、熱意と反省のたっぷり入った文章なら、何を書いても足りない顔をされることはあります。
それでも、その顔を見越して自分の悪口を増やしたり、仕事を拾う約束までしたりする必要はありません。評価シートを出すたびに、会社が欲しい人格へ作り直されるのは反吐が出ます。
会社から評価が出た後まで、その点数を頭の中で繰り返してしまうなら、会社の評価と自分の価値を分ける話もあります。提出する書類が一枚あることと、自分の全部を会社に採点させることは同じではありません。
会社の期待どおりの熱意や成果を書けず、自分だけがおかしいのかと苦しくなる人へ。『モンスター社員の教科書』には、会社に適応しないモンスター社員の実例と、少しラクになる考え方をまとめています。立派な社員らしい自己紹介を、もう書きたくない日に読んでみてください。



コメント