今日の予定変更は一つ。連絡はそれで終わったのに、朝礼は終わらない。
上司の昔の苦労話が始まり、最後は「だから、みんなも意識を変えよう」になる。黙って立っているこちらには、意識より先に「いつ終わるんだ」という考えが浮かびます。
会社の朝礼はいらない。そう思うのは、毎朝ありがたい話を聞いてからでないと働けない人間へ、自分を合わせる気になれないからです。
別に、早く仕事を始めたいから文句を言っているのではありません。仕事の前に説教の上映会まで付けられるのが嫌なのです。出勤した時点でもう帰りたいのに、「よし、今日も頑張るぞ」という顔へ作り替えられる。朝からそんなサービスまで求めるな、と思います。
ここでは、勤務中の朝礼で必要な連絡が済んだ後も、訓話や唱和、熱意の表明を求められる場面を扱います。連絡を受け取ることと、その場の話に感動しなければならないことを分けたいです。
話を聞いた人間が、毎回変わらなければならないのか
「挨拶が大事」「当事者意識を持とう」「お客様のために」。聞いたことのある結論へ、今日は別のエピソードからたどり着く。
それだけなら、つまらない話が一つあっただけです。厄介なのは、その話を聞いた側へ感想や反省まで求められることです。
「今日の話を、自分の仕事にどう生かしますか」
生かしたいと思っていません。それが本音でも、そう答えれば説教の二本目が始まりそうで、結局「もっと意識して取り組みます」と会社の欲しい返事を探す。
話す側は好きなことを話して、聞く側だけが毎回変わる義務を背負う。しかも、前向きな答えを出すまで終われない。ずいぶん都合のいい朝の儀式です。
社訓を声に出しても、会社の理念が自分の願いになるわけではありません。「お客様のため」と唱えた後も、私は自分の給料と休みの方が気になります。その気持ちまで、発声と一緒に会社へ提出した覚えはありません。
具体的な用件がなく、ただ感想を求められたなら、「お話は伺いました」くらいで止めたいです。理解したふりの先に、自分で追加の活動や目標を差し出す必要はありません。
それで「反応が薄い」と言われるかもしれません。けれど、話を聞いたことと心が動いたことは同じではないです。感動しなかった分までこちらの不足にされるなら、話の中身ではなく、従っている顔を見たいだけではないでしょうか。
朝礼で特に売上や利益への危機感を背負わされるなら、会社の利益を自分の責任にしたくない話へ。ここで扱っているのは、話題が何であれ、毎朝会社向けの心構えへ着替えさせられる苦しさです。
朝礼を良くする係まで引き受けたくない
朝礼がいらないと思う人へ、「では、もっと有意義な朝礼を提案しよう」と勧める話もあります。
なぜ、嫌な儀式に付き合わされている側が、その儀式の新企画まで考えるのでしょうか。議題を集め、時間を測り、上司を説得する。朝礼を短くしたかっただけなのに、今度は朝礼を良くする仕事が生まれる。
私は、上司の話をもっと魅力的に聞ける仕組みを作りたいのではありません。感動も改善案も出さないまま、その時間を終えたいだけです。
朝礼の後、頭の中でもう一度話を再生して、「あの態度はまずかったか」「もっとやる気のある感想にすればよかったか」と反省を始めなくていいです。会社がその場を用意したことと、こちらの内側まで会社の希望どおりになったことは別です。
必要な予定や作業上の注意は、その連絡として受け取る。でも、上司の人生訓を、自分の生き方の修正指示へ変えるつもりはありません。立派な話を聞いたから、今日はいつもより残業しよう。社訓を読んだから、面倒な役目へ立候補しよう。そこまで話を膨らませる必要はないです。
朝礼だけでなく、職場全体の熱さや一体感へ合わせられず苦しい場合は、会社に馴染めないという話もあります。周囲が頷くところで頷けないたびに、自分の人格まで直す課題を増やしたくありません。
なお、朝礼はいらないという感想と、出席を求められている場から無断で抜けても不利益がないという話は別です。この記事は、欠席が必ず認められる方法を案内するものではありません。休日まで呼び出される会議は、休日の会議を強制されたときの話で、勤務中の朝礼とは分けて扱っています。
朝礼は終わった。今日も特に感銘は受けなかった。それで、私の朝まで失敗にしたくないです。
ただ会社へ来ただけの人間を、朝から何度も奮い立たせようとする。熱意が湧かないなら意識が低いと責め、最後には自分で反省するところまで持ち帰らせる。そのしつこさに、心の底から嫌気がさします。
朝礼の話が、今日の私を良い社員にしなかった。それは、私が直さなければならない欠陥ではありません。
『モンスター社員の教科書』には、会社に適応しないモンスター社員の実例と、少しラクになる考え方をまとめています。会社の「いい話」に心が動かず、自分だけおかしいのかと思う朝に。感動できないままの自分で、読んでみてください。



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