「お先に失礼します。今日はこれで帰ります」
飲み会を途中で帰るとき、まず使えるのはこのくらいの一言です。帰る理由を長く説明しなくても、退席することは伝えられます。
もう帰りたいのに、上司のグラスにはまだ酒が入っている。話も終わりそうにない。時計を見るたび、家で過ごせたはずの時間が減っていく。
仕事を終えてからここまで付き合ったのに、帰る瞬間だけ「もう?」という顔をされる。そこまでの時間を受け取っておいて、残りの夜まで当然のように要求する。その図々しさには、はらわたが煮えくり返ります。
ここでは、任意の懇親として参加した会社の飲み会から、途中で抜けたい場面を扱います。参加前から行きたくない場合は、会社の飲み会への誘いを断る話とは別です。いったん席に着いたからといって、最後までいたいことにはなりません。
帰る一言を、全員の前での発表にしなくていい
帰るときは、近くにいる人や幹事へ「お先に失礼します」と伝える形があります。わざわざ会話を止めて、全員へ順番に事情を説明する必要はありません。
来た時点で帰る時刻が決まっているなら、「今日は○時に失礼します」と先に伝える言い方もあります。あとから帰りたくなったなら、「今日はこれで帰ります」で、その時点の退席を伝えられます。
相手が上司でも、「申し訳ございません。実は家の事情がありまして」と、納得してもらうための長い前置きを足すことから始めなくていいです。
家へ帰って、一人で過ごしたい。風呂に入りたい。誰にも愛想を振りまかずに座りたい。その時間を守るために、架空の急用や具合の悪い家族まで登場させたくありません。
短い言い方なら必ず嫌な顔をされない、という保証はありません。こちらの言い回しではなく、先に帰られること自体が気に入らない人もいます。その人が笑顔になるまで説明を続けていたら、退席の挨拶だけでまた時間がなくなります。
「もう一杯だけ」に、次の約束を足したくない
「まだいいじゃん」「もう一杯だけ」。引き止められたときも、帰る話を別の交渉へ変えずに済む返し方があります。
「今日はここで失礼します」
もう一度、同じ意味を伝えるだけです。「あと一杯なら」「この話が終わったら」と譲ると、帰る時刻が相手の飲む速さや話の長さに結びついてしまいます。
「ノリが悪いな」と言われても、ノリの良さを証明するために次の店へついていく必要はありません。そもそも、こちらが帰るだけで壊れる程度の楽しい会を、私の残り時間で補修させないでほしいです。
場を収めるために「次は最後までいます」と約束する必要もありません。今日の夜を取り返す代わりに、次の夜を予約されるのは嫌です。
言い返して勝つための話ではなく、その場に残る時間を増やしたくないだけです。飲み会がどれほど有意義かという説教の相手まで、帰り際の追加料金として引き受けたくありません。
会費の用件と、残って飲むことは別です
途中で帰るとき、会計をどうするかが気になって席を立てないこともあります。
会費が決まっていて、すでに渡しているなら、その用件は済んでいます。まだなら幹事へ自分の支払いを済ませてから退席するなど、会計だけ切り離して扱えます。帰る挨拶に添えるなら、事実に合わせて「会費は○○さんに渡しました」などの一言です。
途中で帰れば必ず安くなる、残った分を返してもらえるとは限りません。定額のコース料金など、滞在時間だけでは変わらない会費もあります。この記事は、会費を減らす交渉ではなく、帰る一言を扱っています。
ただ、お金を払ったからといって、その分の時間を最後まで使い切らなければ損だ、と自分を残す必要もありません。たとえば会費が同じままでも、一時間早く帰れば、その一時間は家で過ごせます。
一方、「会費は同じなんだから最後までいなよ」は、相手がこちらの時間を使い続けてよい理由にはなりません。払った金を口実に、帰れない時間まで増やされたくないです。
飲み会以外も含め、会社行事への参加そのものを減らしたい場合は、会社行事に行きたくないときの話へ。今日はすでに参加した。その事実と、ここからも居続けるかどうかは分けられます。
「お先に失礼します」。会計の用件を済ませたら、自分の帰る時間を伝える。上司が飲み終わるまで、私の一日まで終われない仕組みには付き合いたくありません。
会社の人間と同じように楽しめず、自分だけが付き合いの悪い人間なのかと苦しくなる人へ。『モンスター社員の教科書』では、会社に適応しないモンスター社員の実例と、少しラクになる考え方に触れられます。帰った後まで会社の顔色を思い出したくない日に、読んでみてください。



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