「有給は取っていいから、仕事に影響のない日を自分で選んで」
そう言われて予定表を開く。月初は締め、月末も締め、その間には会議と担当業務が入っている。上司がいない日は避けろ、他の人と重なる日も避けろ。消していくうちに、休みたい日は一日も残らない。
取っていいと言うだけなら、会社は何も減りません。取れない日の選別と、諦める役だけをこちらへ渡せます。休ませる顔をしながら、結局出勤させる。そんな仕組みに腹が立ちます。
有給を取る日は、原則として本人が指定します。会社にとって都合がいい日を全部洗い出し、その残りからしか選べない制度ではありません。希望日がどんな場合でも必ず通るわけではありませんが、申請前から自分で候補をゼロにする必要もないです。
自分が休みたい日より先に、会社の空き日を探さなくていい
旅行へ行く日でも、家にいたい日でも、とにかく会社へ行きたくない日でも、自分にとって使いたい日があります。
そこから考える前に、「その週は忙しいかもしれない」「あの人が何か言うかもしれない」と会社の予定を全部優先すると、自分の希望はいつも最後になります。
たとえば候補が3日あって、どの日にも通常の担当業務が入っていたとします。それだけで3日とも自分から消してしまえば、会社は日程変更の判断を一度もせずに、こちらの休みたい日を全部なくせます。
有給は、本来働くはずの日に働く義務を免れる休みです。「自分の仕事が何もない日」だけを探すと、制度の出発点からおかしくなります。仕事があるから年休を使って休むのであって、仕事が消えるまで待つ話ではありません。
法定の年休は、通常、継続勤務6か月と全労働日の8割以上の出勤を満たすと初回10日が発生します。所定労働日数・時間などによって比例付与になる人もいます。旧来の「長年勤めないと少ししか休めない」というイメージではなく、厚生労働省の年休Q&Aにある条件で扱うものです。
権利全般の説明は、有給が労働者の権利であるという話へ。ここでは、年休がある人が申請する日を選ぶ場面に絞っています。
「月曜は休むな」「金曜に休むのは印象が悪い」と曜日そのものを避けるよう言われているなら、有給の曜日を制限される話が近い記事です。何曜日が気に入られるかではなく、自分が使いたい日から考えたいです。
申請の前から、代わりの勤務表まで作りたくない
休みたい日を一つ選んだら、所定の申請方法でその日を伝える。文面なら「○月○日に年次有給休暇を取得します」と、対象の日付が分かる形にできます。
そこに、自分が休む日の人員配置や、他人の担当を入れ替える案まで添付しなければならないわけではありません。会社の管理を仕上げてからでないと休めない、という仕事を増やしたくないです。
もちろん、必要な申請手続きを飛ばしてよいという話ではありません。また、指定した日の取得が事業の正常な運営を妨げる場合には、会社が別の時季へ変更することが認められます。その判断は、個別・具体的・客観的にされるものです。
ここは「上司に嫌な顔をされそう」と同じではありません。会社に時季変更が認められる場合があるからといって、まだ判断もされていない段階で、こちらが全日程を会社優先に並べ直す義務にはならないです。
すでに希望日を伝えて妨害されているなら、有給申請を妨害された後の話へ分けています。自分で希望日を選ぶ前の迷いと、会社から変更を求められた後の対応を一緒にして、最初から自分の予定を全部潰したくありません。
会社が最初から「この日に有給を使って」と指定してきた場合は、会社が有給の日を決められる制度と範囲へ。年5日の指定や計画年休は別の仕組みであり、その存在によって、自分が申し出る休みの日まで全て会社へ渡すことにはなりません。
こちらが諦めるまで待っていれば、会社は「本人が申請しなかった」と言えます。その間ずっと、私は行きたくない職場へ通い続ける。そんな都合のいい結末を、自分の遠慮だけで完成させてあげたくないです。
休みたい日があるなら、その希望があるところから始めていい。会社が使い終わった後の予定表から、残りかすの一日をいただくための有給ではありません。
会社に合わせた選び方ができない自分を、責めたくない人へ。『モンスター社員の教科書』には、会社に適応しないモンスター社員の実例と、少しラクになる考え方をまとめています。休みたい日まで相手の都合で消してしまいたくない日に、読んでみてください。



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