会社でまたミスをした。隣の席の人は平気そうに仕事を片づけている。「自分だけ、まともに生きる資格がないのか」と思う夜があるかもしれません。
会社員として仕事がうまくできないと、毎日は確かにしんどいです。だからといって、会社の仕事を人生の中心に置き、そこでの評価で自分の価値まで決める必要はありません。働くのが得意ではないままでも、少し息のしやすい生活は作れます。
「働かざるもの食うべからず」は、あなたの生存資格を決めない
仕事ができない人を叩くとき、「働かざるもの食うべからず」という言葉が便利に使われます。目の前で働いている人に向かってまで、仕事の出来で食べる資格を審査しようとする。どれだけ人を追い詰めれば気が済むのでしょうか。
日本国憲法25条は、すべての国民に健康で文化的な最低限度の生活を営む権利があると定めています。職場の評価が低い人を除外するとは書かれていません。これは、働かずにいれば生活が自動で保障されるという意味ではありません。ただ、上司の採点が人の生きる価値を決めるわけでもない、という話です。
一つの職場の一つの仕事が苦手だった。その事実を「自分は生きていてはいけない」まで膨らませる必要はありません。会社が欲しいのは、都合よく働く社員です。あなたの人生の裁判官ではないのです。
会社の全員に好かれる仕事を、増やさなくていい
仕事で評価されないと、せめて人間関係だけは失敗できないと思いがちです。雑談に入る。飲み会へ行く。頼まれていない雑用も拾う。そうやって好かれようとすると、勤務時間だけでなく休憩や帰宅後まで会社に占領されます。
そもそも、職場の全員から好かれるのは無理です。仕事の利害が絡む場所では、断っただけで不機嫌になる人もいます。そんな相手の機嫌に、自分の居場所を預けたくありません。
親しくなりたい相手を会社で探さなくてもいい。昔からの友人でも、趣味の集まりでも、たまに話せる一人でもいい。今は誰も思い浮かばなくても、それは会社で好かれるために無理をする理由にはなりません。
職場の輪に入れず苦しいときは、職場に居場所がない人へで、仕事に必要なつながりと、好かれるための付き合いを分けています。
上司の不機嫌を、全部自分の通知にしない
上司が朝からイライラしている。目も合わせない。こちらのミスが原因かもしれないし、別の仕事や私生活のせいかもしれません。理由が分からないうちから「自分のせいだ」と引き受けると、相手の機嫌の変化を一日中監視することになります。
仕事上の指摘なら、その指摘された箇所を見ればいい。指摘もないのに機嫌だけ悪いなら、相手の内心を解読する仕事まで背負わなくていいです。管理職の感情を部下に読ませておいて、気づかなければ「気が利かない」と怒る。そんなクソみたいな仕組みに、こちらの睡眠まで差し出す必要はありません。
ただ、明らかに悪意を向けられ、眠れないほど追い詰められているなら話は別です。仕事へ行くことを優先せず、休むことや医療機関・相談先を使うことを考えてください。休むのは上司の機嫌を直すためではなく、自分の身体を守るためです。
仕事は、頼まれた範囲をできるところまででいい
仕事が苦手だと感じるほど、「人より余分に頑張らないと」と考えてしまうかもしれません。でも、苦手な人に残業も飲み会も雑用も上乗せしたところで、生活はどんどん苦しくなるだけです。
頼まれた仕事を、勤務時間の中でできる範囲まで進める。言われていないプラスアルファを探しに行かない。修正を求められたら、求められた箇所にだけ対応する。会社の穴を自分の工夫で全部埋める必要はありません。
「主体性がない」と説教されるかもしれません。会社が本当に必要な仕事なら、会社が担当と手順を決めればいい。曖昧な期待を置いておき、後から「普通は察する」と責めるのは、管理を放棄した側の怠慢です。
仕事の割合を小さくして、自分の時間を取り返す
会社での有能感だけを支えにすると、仕事でうまくいかない日は人生そのものが崩れたように感じます。だから、仕事以外の小さな世界を残しておきたいです。
定時で帰れる日は帰る。行きたくない飲み会には行かない。休みの日には、役に立つかどうかで趣味を採点しない。副業に興味があるなら、会社から離れたところで少し触れてみる。何もしたくない日は、何もしない時間でもいいです。
仕事を得意にする計画ではありません。会社が占める面積を減らすだけです。会社の評価を一つ失っても、自分にはまだ別の時間がある。そう思える余白を、少しずつ取り戻せれば十分です。
辞めることまで考えているなら、仕事ができないから会社を辞めたい人へで、今の職場を離れる判断を扱っています。ここで言いたいのは、辞める前も、残る間も、会社だけを自分の世界にしなくていいということです。
仕事ができないと感じる日にも、生きていていい。上司がそれを許すかどうかではなく、最初から上司に決める権利などありません。
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