「自分の会社、有給が少ない気がする」
そう感じたら、会社の説明をそのまま信じて終わらせないでください。
ただし、残りの日数が少ないだけで、すぐ違法になるわけではありません。
確認すべきなのは、使ったあとの残日数ではなく、会社から付与された日数です。
勤続年数や働き方に応じた法定日数より少なければ、労働基準法に違反している可能性があります。
ホント、休みの日数まで会社任せにしてはいけません。
この記事では、有給が少ないと感じたときに、違法かどうかを自分で確認する順番を整理します。
有給が少ないと感じたら「付与日数」と「残日数」を分ける
最初に、ここを分けてください。
- 付与日数:会社から新しく与えられた有給の日数
- 残日数:付与された有給から、すでに使った分を引いた日数
10日付与されて8日使い、残り2日なら、「残日数は少ない」ですが、それだけで会社が違法とはいえません。
一方、本来10日付与される条件なのに5日しか付与されていないなら、話は別です。
見るべき数字を間違えると、会社に「もう使ったから少ないだけです」と丸め込まれます。
まず勤怠システムや給与明細で、いつ何日付与され、いつ何日使ったのかを確認してください。
通常の労働者は6か月勤務・8割出勤で10日が基本です
労働基準法第39条では、雇入れから6か月継続して勤務し、その期間の全労働日の8割以上を出勤した労働者に、原則として10労働日の年次有給休暇を与えることが定められています。
その後も8割以上の出勤条件を満たせば、一般的な週5日勤務の人は勤続年数に応じて付与日数が増えます。
- 6か月:10日
- 1年6か月:11日
- 2年6か月:12日
- 3年6か月:14日
- 4年6か月:16日
- 5年6か月:18日
- 6年6か月以上:20日
「うちは忙しいから少なくする」「業績が悪いから今年は減らす」。そんな会社都合で法定日数を削るのは、ありえません。
会社の業績と、法律上の最低基準は別の話です。
根拠は、厚生労働省の労働基準法第39条でも確認できます。
パートや週4日以下の人は比例付与を確認する
パートだから有給がない、という説明は雑すぎます。
パートやアルバイトにも、条件を満たせば有給はあります。
ただし、週の所定労働日数が4日以下で、週の所定労働時間が30時間未満などの条件に当てはまる人は、働く日数に応じた比例付与になる場合があります。
そのため、全員が必ず初回10日とは限りません。
会社に「パートだから少ない」とだけ言われたら、そこで引き下がらないでください。
週の所定労働日数、年間所定労働日数、週の所定労働時間、勤続期間を確認し、比例付与表のどこに当てはまるのかを聞きましょう。
「私の契約条件では、何日が法定付与日数になるのか、計算根拠を教えてください」で十分です。
年5日取らせる義務と、付与日数は別です
ここも混同しやすいです。
年10日以上の有給が付与される労働者について、会社には、基準日から1年以内に年5日を確実に取得させる義務があります。
でも、「会社は5日だけ与えればいい」という意味ではありません。
10日付与される人なら、付与日数は10日です。そのうち最低5日を実際に取得させる義務が会社にある、という話です。
5日取得させたから、残り5日を消していいわけでもありません。
厚生労働省の年次有給休暇の時季指定でも、対象者と年5日の取得義務が説明されています。
会社が勝手に有給を休日へ当てていないか確認する
「会社が決めた休みに有給を使われて、自由に使える日が少ない」
このケースでは、計画年休の仕組みが使われている可能性があります。
計画的付与を導入するには、就業規則の定めと労使協定が必要です。また、対象にできるのは原則として有給のうち5日を超える部分です。
会社が一方的に、自由に使える有給まで全部予定へ突っ込んでいいわけではありません。
次の3点を確認してください。
- 就業規則に計画年休の定めがあるか
- 労使協定が締結されているか
- 自分で取得時季を決められる5日が残されているか
会社に勝手に有給を使われている感覚がある人は、有給を勝手に使われるのはおかしい。会社に休みを削られない確認方法も読んでみてください。
会社へ確認するときは、口頭ではなく記録を残す
有給の数字が合わないなら、口頭だけで終わらせないでください。
メールや社内チャットで、淡々と確認します。
私の年次有給休暇について、基準日、今回の付与日数、前年度からの繰越日数、取得済み日数、現在の残日数を確認したいです。あわせて、付与日数の計算根拠をご教示ください。
これで十分です。
最初からケンカ腰になる必要はありません。
数字と根拠を出させることが先です。
会社が「みんな同じ」「昔からこうしている」と言ってきても、それは計算根拠ではありません。
「法律上、私の勤務条件では何日になるのかを確認しています」と戻してください。
希望日に取れない話と、日数が少ない話も分ける
付与日数は合っているけれど、希望日に取らせてもらえない。
これは別の問題です。
有給は原則として労働者が指定した時季に与えるものですが、その日に休ませると事業の正常な運営を妨げる場合、会社が別の時季へ変更することはあります。
ただし、「忙しいから有給そのものを消す」「永久に取らせない」は別です。
日を変える話と、権利をなくす話を一緒にさせないでください。
月に何回取れるかが気になる人は、有給休暇は月に何回取ってもいい?上司の圧に負けない反論術へ進んでください。
本当に法定日数より少ないなら、外部へ相談する
確認しても日数が合わない。会社が計算根拠を出さない。指摘しても直さない。
そこまで来たら、一人で会社の謎ルールと戦い続けなくていいです。
雇用契約書、就業規則、勤怠画面、給与明細、会社とのメールを保存してください。
そのうえで、労働局や労働基準監督署内などにある総合労働相談コーナーへ相談できます。
相談するときは、「有給が少ない気がする」だけではなく、入社日、勤務日数、付与日、付与された日数、取得済み日数を整理して伝えると話が早いです。
証拠なしの感情論にされないよう、記録で固めてください。
残日数が少ないだけなら、使い切った後の扱いを確認する
法定どおり付与されていて、自分で使った結果として残りが少ないなら、違法性の問題とは分けて考えます。
体調不良に備えたいなら、残日数、次回付与日、欠勤や無給休暇の扱いを確認してください。
有給がなくなった後の選択肢は、有給がなくなったら欠勤でいい?休みを使い切った人が損しない考え方で整理しています。
「少ない」という不安を、全部会社の違法性の話にする必要はありません。
自分が次に休める条件を把握することが大事です。
まとめ:有給が少ないなら、まず数字を会社に出させてください
有給が少ないと感じたら、付与日数と残日数を分けてください。
次に、入社日、出勤率、週の所定労働日数・時間、基準日を確認します。
法定付与日数より少ない疑いがあるなら、会社へ計算根拠を文書で確認してください。
会社の業績や昔からの慣習で、法定日数を勝手に削るのはありえません。
一方、使った結果として残りが少ないなら、次回付与日や欠勤の扱いを確認します。
大事なのは、「なんとなく少ない」で終わらせないことです。
数字を見る。根拠を聞く。記録を残す。おかしければ相談する。
休むことに罪悪感を持たせてくる上司は、人の休みを奪った時間で自身の無能を補おうとしているだけです。
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