忙しい日には「学生気分じゃ困る」と言う。それなのに有給の話をすると、「学生バイトにそんなものはない」と言う。
働かせるときだけ社会人として扱い、休む話になると学生へ戻す。店にとって都合のいい身分へ、その都度着替えさせられる。そんなクソみたいな使い分けには、納得できません。
学生でもアルバイトでも、条件を満たせば年次有給休暇はあります。店長が気前よく認める特典ではなく、働き方に応じて発生する権利です。
週に何日入っているかで、ゼロかどうかを決めつけない
基本になるのは、雇われた日から6か月以上継続して働き、その間の決められた労働日の8割以上に出勤していることです。学生という理由で、この対象から外れるわけではありません。
週の所定労働時間が30時間未満で、所定労働日数も週4日以下などの場合は、働く日数に応じた「比例付与」の対象になります。日数が少ないことと、有給が存在しないことは別です。
たとえば、週30時間未満・週3日の所定勤務なら、初めの6か月で5日。週2日なら3日、週1日なら1日が、出勤率などの条件を満たす場合の法定付与日数です。週4日なら7日です。
週5日以上、または週30時間以上など、通常の付与の対象になる働き方なら、初回は10日が基本です。全員が一律10日でもなければ、週4日未満だと対象外でもありません。週ごとの日数が決まらない働き方では、年間所定労働日数などで該当する区分が変わります。
日数や条件は、厚生労働省のアルバイト向け案内で確認できます。シフトに入った期間、所定の日数・時間、付与された日数が手元の契約や勤怠に出ていれば、それが自分の条件を見る材料です。
付与日数そのものが少ないかを詳しく確かめたい場合は、有給の付与日数と残日数の違いへ。学生という肩書きだけで、有給をゼロにする話とは分けています。
「みんな取っていない」は、取れない条件ではありません
先輩も取っていない。今まで学生で申請した人はいない。そんな説明をされると、自分だけ面倒を起こしている気分になります。
でも、誰も使っていなかったことと、法律上の条件を満たしていないことは違います。知らないまま辞めていった人がいたとして、その人たちと同じ損をすることまで後輩の義務にはなりません。
学生だから、まだ大して役に立っていないから、店長に気に入られていないから。そうした評価で、法定の有給があるかどうかを決めるものではありません。休みを使う前に、店へ十分な恩返しを済ませる制度でもないです。
年次有給休暇は、もともと働く日に労働義務を免除する休暇です。最初からシフトが入っていない日を有給に変えて、当然に賃金だけ追加でもらえるという意味ではありません。休む日が勤務予定の日かどうかと、そもそも年休が付与されているかを混ぜないことです。
通常の年休は、原則として本人が取得日を指定します。その日に休ませると事業の正常な運営を妨げる場合には、会社の時季変更権が問題になります。ただし、忙しいという一言で有給そのものをなくしてよいわけではありません。
申請に、店への忠誠まで添えたくない
申請するなら、店で決まっている方法に沿って「○月○日に年次有給休暇を取得します」と、取得日と意思を伝える。休むための身の上話を長く作るところから始めなくていいです。
普段からLINEで休暇を連絡する職場なら、LINEで有給を伝える文面で、正式な申請と連絡を分けています。学生だから特別に長い謝罪を足す必要はありません。
休んだ後はもっとシフトに入ります。代わりの人を必ず私が見つけます。そうした約束を自分から付けて、休暇を追加勤務との交換にしたくないです。
店長に「バイトにはない」とだけ言われ、手元の契約や勤怠と話が合わない。自分で法律の説明を繰り返すのが嫌なら、残っている資料をもとに労働基準監督署などへ相談する選択があります。申請や相談をすれば希望日が必ず通る、という保証ではありませんが、店長を納得させる演説しか道がないわけではありません。
有給を使うのは、次の出勤で立派に働くためだけではありません。遊んでも、寝ても、店のことを考えずに過ごしてもいいです。休みの日まで、役に立つ学生として評価されるために使いたくない。
働くときは一人分の戦力として数えるくせに、休むときだけ「ただの学生」に戻す。その身勝手さを、自分の遠慮で完成させてあげる必要はありません。
会社や店の期待どおりに振る舞えない自分を、責めたくない人へ。『モンスター社員の教科書』には、会社に適応しないモンスター社員の実例と、少しラクになる考え方をまとめています。休む権利まで相手の機嫌で決められたくない日に、読んでみてください。



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